中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3610回
バブルと談ずるには早過ぎます

いまから4、50年前、
日本が高度成長に突入しはじめた頃、
銀行からお金の借りられる人は
お金儲けのチャンスに恵まれました。
借りたお金で土地を買ったり、
マンションを買っておけば、
毎年のように値上がりをしたからです。

しかし、普通のサラリーマンでは
なかなかお金が借りられませんでした。
サラリーで暮らしている人がお金を借りることは
堅気のやることと思われていませんでしたので、
コツコツ貯金をして土地を買うだけのお金が貯まったら
先ず土地を手に入れ、
また節約して家を建てるだけのお金が貯まったら
家を建てるのが常識だったからです。

それに対して、
土地や建物費の値上がりのが早くて、
お金はなかなか貯まらないので、
勤め先や親兄弟から借りるだけお金を借りて
先ず家を建ててしまえ、
お金を返えすのはそれからゆっくりやればよい
と私は主張しました。
まだ銀行が一般のサラリーマンに
お金を貸してくれなかった頃のことです。

そんな時でも事業をやっている人は
ビルを建てることができました。
政府は事業をやる人の設備資金は
優先的に事業に貸すように銀行を指導していたからです。
事業家は設備資金は儲けの中から捻出し、
設備資金として借りたお金は
ビルや住宅の建設にまわることができたのです。
私はそれを見て実業家の方が一足先に財産をつくり、
サラリーマンはそのあとからのこのこついて行く社会なんだなあ
と感心して見ていました。

そうした流れにさからって財産をつくろうと思えば
借りるだけお金を借りまくって不動産を買うことだと
周囲の人に説いて
なるべく早く借金で家を建てることをすすめました。
まだ東京周囲の土地が坪当たり1万円もしなかった頃のことです。
それをいち早く実行に移した人は
人より早くマイホームを手に入れることができました。
それと同じことがいま中国で起っているのです。
それをバブルと談ずるのは早すぎるでしょうね。


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2010年1月27日(水)

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