中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3631回
自分のポケットの中のお金の動きも見て下さい

お金の方が人間よりずっと臆病なので、
人間は平気でも、お金の方が危いと思ったら、
すぐ逃げ仕度にかかります。
昔はお金にも国境があって、
国を越えて逃げるのは生命賭けでした。
どこの国の王様も、
お金が自分の国から逃げ出すのをガマンできなかったので、
金塊や金貨を密輸する者には極刑で臨みました。
それでも金銀財宝を積んで逃げ出す人は後を絶たなかったのです。

今は国境の壁が崩れて、
人も物も金も昔よりはずっと楽に
国境を越えることができるようになりました。
どこの国でも、実力のある国ほど自信を持っているので、
貿易の自由化を唱え、
関税を引き下げる努力をしています。
国によっては人の移動にも門戸をひらいていますが、
一番最後まで残っているのは人の移動でしょう。
いまでも人の移動にはパスポートが必要だし、
パスポートによっては入国のできない国もたくさんあります。

それに比べると、
お金の移動にはパスポートは要らないし、
いくら国によってその移動にストップがかかっても、
お金は千変万化、物にも変われば、
人様の持物に化けることもできるので、
世界中どこにでも移動できます。
危いと直感すれば、お金はどこにも大挙して移動しますし、
またお金が儲かるとわかれば、
国境の壁をよじのぼってでも、
お金の儲かるチャンスのある所へ動きます。
ですからお金の動きを見ておれば、
どこがお金の儲かる所か、
もしくは、お金にとって危険なところか、
すぐにわかってしまうのです。

いまはグローバル化の時代ですから、
どこがお金の儲かる所かは、
お金がどこに動くかを観察するだけで
大体、見当がついてしまいます。
ことしは日本からお金が他所の国に動きはじめる年だと
私は見ています。
外ばかり見ないで自分のポケットの中を覗いて見て下さい。
見ているだけで「もしもしQさん」は
またも単行本1冊分になりました。
明日も続けて新しいテーマに挑戦しますのでよろしく。


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2010年2月17日(水)

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