中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3648回
「踊る阿呆」の世界オリンピックを開いては?

リオのカーニバルについてはかねてから噂にきいていました。
国をあげて踊りまくるのですから、
「踊る阿呆に見る阿呆」にきまっています。

私はかねてから、
南米はポルトガルとスペインの阿呆が
集団で移民したところだと見ておりました。
でも阿呆がこんなにもたくさんいるとは
カーニバルを自分の眼で見るまでは実感していませんでした。
ブラジルは一大混血国家ですから、
どこから来た人か、いちいちせんさくする人はいないと思います。
カーニバルに参加して行列の中で一番たくさん踊っているのは、
多分、昔からこの土地に育った現住民でしょう。
アフリカから移民してきた黒人は少いと思いました。

しかし、人口1億9千万人の混血国家で、
先進国の人たちと同じようなレベルの生活を維持できている人は
ほんの一握りにすぎないのではないでしょうか。
ほとんどの人が貧しい環境の中で
息詰るような日常を送っています。
一番目立っているのは小型車しか走っていないことですが、
2週間いた間に交通事故を一回も見ませんでした。
用心深く自分たちの生活を守っていますが、
たまったストレスをどこで発散しているかというと、
1つはカーニバルで踊りまくることであり、
もう1つはサッカーの応援をすることではないでしょうか。
もしこの2つのエネルギー発散チャンスがなければ、
ブラジルはいまのような平和を
維持して行けなかったのではないでしょうか。

ちょうどバンクーバーのオリンピックが開催された時期に
私たちはリオのカーニバルを見に行ったのですが、
私は世界の平和を保つためには
運動選手を集めて競技を競うよりも、
「踊る阿呆」の世界的なオリンピックを開催した方が
ずっと国際親善の役に立つのではないかと思いました。
全国の阿呆が集まって
東京で先ず日本代表を選抜する大会をひらけば、
オリンピックを誘致するよりも
世界平和に貢献するのではないでしょうか。
オリンピックに無関心な私でも
「踊る阿呆」の予選なら喜んで見学に行きます。


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2010年3月6日(土)

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