中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3679回
デパートもサンドウィッチ型に改善したら

不景気になると、今まで売れていた物も売れなくなります。
物が売れないと、デパートもスーパーも大あわてにあわてて
バーゲンセールをはじめます。
安ければ人が集まりますから、しばらくは笑顔になりますが、
同業者も同じことをやれば、安売りの効果はなくなるし、
あまり長くバーゲンをやるとお客もそっぽを向いてしまいます。
ですから安売りでピンチを切り抜けることはできないのです。

その一方で、お客の方も節約疲れをするようになります。
物が売れなくなるのは失業者がふえたり、
ボーナスや賃金のカットで使うお金が減るからだけではありません。
多くの人が財布の紐を締めにかかると、
そんなことをしなくてすむ人たちまでお金を使わなくなるのです。
それが更に緊縮ムードを加速させてデフレを促進するのです。

しかし、それが長く続くと、
必要以上に節約した人は次第に節約疲れをするようになります。
使えるお金があるのに、食べたい物も食べない生活が続くと、
一体、自分は何のために生きているのかと考えるようになります。
2000円の刺身を買うのをやめて、
500円の切身でガマンしているうちに、
遂に忍耐袋の緒が切れて、つい値段の高い方に手が伸びます。
そういう人が恐らく
デパートのお客の中の半分以上を占めているのではないでしょうか。
そういう人たちに物を売る研究をすればいいのです。

もし衣料品はいくら工夫しても売れないのに
食品売場にばかり人が集まるようなら、
衣料品の売上げをあてにするより、
食品売場を拡げればいいのです。
臆病なデパートでも1階と地下は食品売場にして、
どうせ売れ残りがでるに決まっていますから、
上の階にレストランのデパートをつくって
三度の食事の提供をすればいいのです。
上のレストランと下の食品売場の間に、
衣料品や化粧品や家庭用品を挟めば
デパートのサンドウィッチができあがります。
いま中国でも本物のサンドウィッチがブームになっていること
ご存じですか。


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2010年4月6日(火)

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