中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3682回
移民の多い国が栄えると思いませんか

日本人は自分の国の人でない人を「外人さん」と呼んで、
なかなか自分たちの仲間に入れようとしません。
その癖、外国から来た文物は何でも喜んで受け入れます。
昔々は中国大陸が世界の先進国でしたから、
中国から来た物は何でも珍重しました。
キモノだって呉服と言ったのは、
呉の国の服装だったからだし、
唐辛子だって、唐傘だって皆、
海の向うから渡来したものです。

茶道だって元をただせば、
唐の国から渡来したものだし、
お茶の家元は今日で言えば、
コーヒー屋のオヤジということになります。
コーヒー屋のオヤジが
信長や秀吉や家康と対等につきあったのですから、
日本では昔からサービス業の
社会的地位が高かったことがわかります。

それなのに西洋人と向い合うと、
言葉もチンプンカンプンで、
肌の色も違っていたせいもありますが、
会う前から敬遠してしまいます。
徳川から以前は唐の人に対してもそうだったかも知れませんが、
外人さんとつきあうようになった頃は、
中国人が西洋人に痛めつけられていましたから、
日本人は西洋人をあがめる分だけ、
中国人をはじめ、アジアの人々を見下だしました。
またそれだからこそ
近隣諸国を植民地化することに我を忘れたのだと思います。

しかし、見上げるにしろ、見下げるにしろ、
日本人は島国に育ったせいか、
人づきあいはうまいと言えず、
それが今なお日本を孤立させています。
これだけ経済的に豊かになったのですから、
他所の国の人に門戸をひらいてもよさそうなものですが、
自分も外国に行くのに対しては二の足を踏みますが、
他所の人を受け入れることには拒否反応を示します。
それが日本のグローバル化時代の発展を
遅らせているのではないでしょうか。
純血よりも移民の国の方が競争のある分だけ
文明国になると思いませんか。
一番いい例はアメリカですが、次は中国です。
いまの中国は日本人だってすぐに受け入れてくれます。


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2010年4月9日(金)

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