中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3683回
いまこそ職業を変えるチャンス

この調子だと、
失業はもっとふえる方向に動きます。
すると政府は派遣社員に色々といちゃもんをつけて、
正社員を優先的に採用する挙に出ますから、
派遣社員の転職のチャンスはもっと遠のきます。
すると、労賃のコストは更に高くなりますから、
企業は国内に戻られなくなって
海外への引越しを真剣になって考えるようになります。
就職のチャンスはいよいよ遠のくのです。

こんな環境ですから、
いまちゃんと職にありついている人でも
いつクビになるかわからなくなります。
失業したら大へんですから、
大抵の人はいまある職も守ろうと必死になります。
ところが、企業が日本におられなくなるだけでなく、
物が売れないと店じまいをしなければならない
企業がふえるので
失業のチャンスはますます増えます。
仮に会社が潰れずに何とか生き残ったとしても、
これまでと同じ仕事を続けて行くことができなくなります。
10年後のことを考えたら、
いまの会社に残っているより、
この際、仕事を思い切って変えた方が身のためだという人が
グングンふえているのです。

職さえあれば何とか食っていけるのだから
それでもいいと思っている人は、
もちろん、おとなしく職を守ればそれで間に合います。
しかし、自分が今やっている仕事が
やがて守り切れなくなる時が来ると
痛感している人にとって、
いまは思い切って職業を変えるまたとないチャンスなのです。

そういう見きわめのつく人にとっては、
今はまさに職業を変えるチャンスですから、
自分の椅子は隣に座っている人に譲って
自分は思い切って退職をすればいいのです。
そういうことのできる人は多分、
10人に1人もいるかどうか。
しかし、仕事の半分が成り立たなくなるとすれば、
いまの仕事にしがみついていても、
やがて職を失う時に見舞われます。
失業する前に仕事を変えるだけの勇気のある人は、
自分の方が駄目になる仕事を捨てるのですから、
仕事に見捨てられる心配はありません。
今こそまたとないチャンスだと私は見ています。


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2010年4月10日(土)

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