中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3684回
次の時代の商売か、儲かる商売であるかどうか

老齢化と成熟化と国際化の時代が同時に来ていますので、
いくら時代が変わっても、
変わらぬ顧客に恵まれているお店は別として、
極端に言えば、お店の半分が商売変えを迫られる時期に
来ていると私は思っています。
ですから、店が潰れないとしても、
商売の中身を大きく変えないと、
次の時代をうまく生きて行けないのではないでしょうか。

パリやミラノにしても、
しばらく行かないとファッションの通りでも
人気のある店が次々と入れ変わっています。
そういう並びの中にさして目立たない店が
昔ながらの商売を細々とやって生き残っていますが、
どうやって生き残っているんだろうかと、
商品の内容や並べ方を見ていると、
大抵が生活必需品を扱っていて、
しかも安定した顧客をしっかり持っている店だけが
生き残っているのですね。

レストランなどはすぐに新しい店に入れ変わっています。
かなりハヤっていたレストランでも
お客にあきれられて入りが悪くなると、
売上げが1割減っただけで儲けがすっとび、
2割減ると赤字になってしまいます。
絶えず次から次へと新しい工夫をしない限り
平時でもお客にすぐ飽きられてしまいます。
まして昨今のように金融不安からはじまった不況が長期化すると、
軒並み大赤字ということになります。

ですから、1軒のレストランが潰れたら
別のレストランに転職するとか、
甲の銀行が駄目なら乙の銀行に移れば
それですむというわけではなくて、
次の時代に成長する産業は何か、
それは事業として将来、立派にやって行けるのか、
また自分でやるにせよ、人のつくった会社に就職するにせよ
それだけの条件を備えているかどうか、
間違いのない判断をする必要があります。
なかでも私が重要視する条件は、
(1)新しい需要を呼び起すことができる事業であるかどうか。
また(2)利益率の高い事業であるかどうかということです。
この2つの条件を備えておれば、全くの新しい事業でも、
また人が見捨てた事業でも私はあまり心配しません。
どんな有望な事業だって
成功する人と失敗する人があるんですから。


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2010年4月11日(日)

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