中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3685回
大事業より儲かる事業を選べ

製鉄や家電は日本を代表する大産業です。
その動向は日本の産業界に大きく影響し、
社長の一言一句だって世間から重く見られます。
しかし、基幹産業の挙げている利益を見ると、
いくつかの例外はありますが、
売上げに対して1%とか2%程度で、
1株50円額面で精々5円とか
その前後とか言うのが珍しくありません。

それに対して後発の新しい事業には50円に対して
50円も利益のあがる業種があるし、
株価にしても日本を代表する企業の10倍、20倍
という動きになります。
どちらを買うかということになりますが、
私ならよく儲ける会社の株を買います。
よく儲ける会社の株の方がよく上がるからです。

ですから、株を買うかどうか決める時は
まず業種と、その業種の中で
その企業が占めている位置はどうかを一応考慮しますが、
会社の過去3年間の業績の推移を見る前に、
先ず売上げに対する利益率がどうなっているかを検討します。
利益率の低い会社は売上げがふえても、
利益が大してふえないけれど、
利益率の高い企業は2年、3年と重ねて行くうちに
信じられないほど利益をあげることになるからです。

但し、利益率の高い会社には景気不景気によって
業績が大きく揺れる弱点もあります。
レストラン業などはその代表格と言ってよいでしょう。
ですから、そうしたブレの低い業種や
企業を選ぶ必要がありますが、
それは職を選ぶ場合にもあてはまることです。
私のところへは毎年のように新しいプロジェクトが
次から次へと持ち込まれますが、
私は前回にも述べたように、
先ず次の時代が受け入れてくれる事業であるかどうか、
そして、それを事業化した場合、
利益率の高い事業であるかどうかを調べます。
公共事業なら別ですが、
マージンのさしてない事業だと
動きのとれなくなる可能性が大きいので、
どうしても尻込みすることになってしまいます。
新しい仕事や職業を選ぶ場合も先ず利益率に注目することです。


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2010年4月12日(月)

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