中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3686回
株か、それとも不動産か、永遠の課題です

はじめて株をやってお金を儲けた時、
家内のお父さんが香港から自分の娘に手紙をくれて、
私にお金のあるうちに不動産を買うようにすすめてきました。
もう半世紀も昔のことですが、
私は200万円で株をはじめて1年で5000万円にしたので
自信過剰もあって、
「いや、株の方が簡単だよ。
駄目とわかればその日のうちに売ることもできるし、
後腐れもないし」と反論しましたが、
少しは家内の顔も立ててやらなくてはと思って、
渋谷の東急本社の隣に30坪ほどの空地を1000万円で買って
地下1階地上4階の小さなビルを建てました。
建築費に2000万円くらいかかった記憶があります。

それが自分の住む家以外に
私が東京ではじめて建てた商業ビルですが、
1階には知り合いの証券会社に支店をつくってもらい、
4階にはこれまた東京にはじめて支社を出す
大阪の経済雑誌社に入ってもらって、
自分は3階にコンサルタントの会社をつくって
事務所を構えました。
まだコンサルタントという言葉に馴染む人の少かった時に
いち早くコンサルタントの旗上げをしたのです。

色んな人が次々と新しい仕事を私のところへ持ち込んできました。
怖い者知らずだったので、私は砂利屋もやれば、
セルフサービスのドライクリーニング屋にも手を出しました。
でも私はまだ不動産より株の方が
手早くお金が儲かると思い込んでいたので、
1000万円でドライクリーニング屋の小さな店を買い、
もう1000万円で株に投資して、
どちらが値上がりするか比べて見ることにしました。

1年目はそれほどひらきはなかったのですが、
高度成長で不動産の値上がりの激しい時だったので、
2年たち、3年たつと不動産は3倍にも5倍にもあがり、
株は逆に値下がりした物もあって
大きなひらきができてしまいました。
長期的に見ると、不動産というだけあって、
少くとも経済成長期には不動産の方がずっと頼りになったのです。
「不動産が一番」という本を私は書いたことがあります。


←前回記事へ

2010年4月13日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ