中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3688回
日本で起ったことは中国でも起る

経済が発展すれば不動産が値上がりすることは
日本人なら誰でも知っています。
中国人は経済成長がなくとも、少しお金ができたら
町の中の賑やかなところを手にしようとします。
ニューヨークのチャイナ・タウンや
サンフランシスコのチャイナ・タウンを見れば、
中国人が如何に不動産に固執するかわかります。
しまいにはすぐお隣りのイタリアン・タウンにまで進出して、
どこまでがチャイナ・タウンか、境目がわからなくなっています。

ですから、上海でも北京でも経済の成長がはじまると、
お金の儲かった人が不動産を買いはじめる前に、
投機精神の旺盛な連中が役人たちと結託して
政府の土地の払い下げを受け、
ドンドンとビルやマンションを建てて売りに出します。
工場を新設したり、新しいビジネスを考えてお金を儲けた人たちは、
儲けたお金を不動産に投じますから、
大都会はたちまち高層化して、
それが全国津々浦々まで波及して行きます。

早くに不動産を手に入れた人々はホクホクして、
不動産はもっと上がると信じて疑いませんから、
自分の住む所を手に入れただけでなく、
値上がりを念頭において
手当たり次第にマンションの買い漁りをします。
すると、人の住まない新しい空マンションが目立ちます。
それを見ると、東京で億ションに手を出した連中が
どんな目にあったかよく知っている日本人は、
「それッ。バブルがはじけるぞ」
と大きな声をあげて逃げ腰になります。

でも本当はマンション・ブームはまだはじまったばかりで、
大都市だって自分の住居を自分で所有している人は
2割もあればいい方でしょう。
その一方で、2軒も3軒も買って値上がりを待つ
バクチ好きもたくさんいるのですから
はたして不動産の将来はどう動くのでしょうか。

こんなことは、本当は日本でもあったのです。
一嵐吹く度に東京や大阪の不動産業者が倒産に見舞われたのです。
それでも成長が続いていた間、
不動産はまた値上がりをくりかえしたのです。


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2010年4月15日(木)

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