中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3689回
不動産株にチャンスが到来?

中国の経済成長の動きは
更に一段とスケールの大きな動きに移るところです。
世界中が不景気に見舞われているというのに、
中国では人出不足が目立つようになり、
沿海地域では政府が先頭に立って
最低賃金の引き上げに動いています。
すると懐具合のよくなった連中が
またマンションを買いに入りますから、
マンションの値上がりは続いています。

輸出が落ち込んで成長が落ち込む心配が出て来た時は
政府が先頭に立って、住宅ローンの枠をゆるめたり、
自動車を買う人に消費税を負けてやったりしましたが、
1年たって息切れするんじゃないかと
私も不審の眼で見ていたなかで、
昨年末からの輸出入の数字や国内消費の動きを見ている限りでは、
8%を維持するどころか、逆に8%に抑え込むことが
次の1年の政府の役目になってしまうのではないでしょうか。
どちらになるかはこれから6月までの間に
一そうはっきりした動きになると見ています。

そうなると、住宅ローンの枠を拡げるどころか、
貯蓄準備率を引き上げて銀行の貸出しを抑えにかかりますから、
不動産株は業績がいいにも拘らず、
株価は逆に抑えられる動きになります。
その動きは既に株価に現われています。
それに対して不動産ブームがまだ終っていないとすれば、
中国で不動産株に投資するチャンスが近づいたと見ることは
できないものでしょうか。

ご存じのように中国を代表する不動産株は
万科企業と海外発展です。
2つとも株価は下向きですが、
下向きの不動産株はこの2つだけではありません。
香港やら台湾からの進出企業もたくさんあるし、
またスケールは以上の2銘柄にかないませんが、
経営内容がよくてピンチに対応できるすぐれた地元企業で、
且つ上昇する空間の大きな銘柄は1つや2つではありません。
私がそれをあげるよりも、
皆さんの研究テーマとして
宿題に残した方がいいんじゃないでしょうか。
銀行株より不動産株が次の成長の波にうまく乗る業種だと
私は見ています。


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2010年4月16日(金)

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