中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3694回
順序を読み違えて中国株で大損を

世の中には物の順序というのがあります。
バスを待つ行列だって順序があります。
ところが、その順序さえ守らない人が世の中にはたくさんいます。
1番守らないのは、私が知っている限りではロシア人です。
私たちが考察団を組織してモスクワに着いた時、
何と入国手続きのカウンターに辿りついても
パスポートにスタンプを押す人たちがいませんでした。

仕方なく2、30分も行列をして待っていましたが、
やっと係りの役人が来たと思った途端に、
私たちのうしろに無秩序にたむろしていたロシア人たちが
一せいに私たちの前に割り込んで、我先に並ぶではありませんか。
なるほどこれでは政府が強権を持って
遮二無二言うことをきかせるよりほかない、
この国は共産主義でないとおさまりがつかないことに
改めて納得が行きました。

順序を守らないことについては中国人も負けず劣らずです。
地域によって人々の気質も違いますが、
私が知っている限りで一番割り込みの激しいのは
毛沢東の生まれ故郷である長沙の人たちです。
飛行場のゲイトでも一番無秩序なのは長沙行きのゲイトです。
受付のアナウンスがあると
一せいに入口に押しかけるのは長沙の人たちです。
毛沢東が共産主義を信奉するようになったのも
そのせいかも知れません。

現にこれだけ自動車の数がふえて
渋滞で動きがとれなくなっても、
あるいはそれだけに中国人の割り込みは
ますます激しくなっています。
こうした気質は交通のルールだけでなく、
商売のやり方や経営のやり方にもはっきり現われます。
同業者をだし抜くことくらい何とも思っていませんから、
二段跳び、三段跳びだろうと、やれることは何でもやります。
たとえば日本では白黒テレビが普及してから
カラー・テレビになりましたが、
中国では白黒テレビをいきなり跳びこえて
カラー・テレビになりましたし、
オートバイを跳びこえて
自転車からいきなり自動車ブームがはじまっています。
私自身そのへんを見間違えて
トンチンカンな中国の株の買い方をして
えらい目にあわされたことが何回もあります。


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2010年4月21日(水)

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