中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3695回
成長株の見立て違いで暴走することも

株ではありませんが、
私が北京で外国人専用のマンションを建てた時は電話を引くのにも
ガスを引くのにもコネが必要でした。
いずれも国営事業が経営していて、
物資の不足な時でしたから、
知人から話をつけてもらい、
それ相当の「紅包」(礼金)も必要だったのです。
ところが、開放政策によって外国企業も進出するようになると、
電話も有線を一挙にとび越えて携帯電話が普及するようになり、
何もこちらから頼みに行かなくとも、
向うから来るようになりました。

また私が最初に北京に乗り込んだ頃は
何人もの人からソニーのカラーテレビを持って来てくれないか
と頼まれましたが、
しばらくすると、まだ白黒テレビも普及していないのに、
カラーテレビが量産されるようになり、
テレビ・メーカーは
1年で資本金に相当する利益をあげるようになりました。
私はまだ中国株に大して関心を持っていなかったので、
黙って見ているだけでしたが、
私の部下で経済雑誌の編集をしていた連中は
思いもよらないボーナスにありついたとあとできかされました。

私は日本で経済の成長を体験し、
そのあと台湾や韓国でも同じ動きを見てきたので、
次々と新しい変化が起っても少しも驚きませんでしたが、
その発展の順序やスピードについてはいくつも勘違いをしました。
日本は既にマイカーの時代に入っていましたが、
マイカーになる前にオートバイのブームが日本でもありました。
ホンダやヤマハだけでなく、
オートバイが一世を風靡した時代があり、
うちの息子たちが暴走族の仲間入りをして、
親をさんざ困らせたことがあります。

現に台湾やベトナムでは
今もオートバイ・ブームが衰えていませんが、
後発組の中国でも必らずオートバイのブームが
マイカー族の発生する前にあると確信した私は
中国の何社かあるオートバイ・メーカーに目をつけて
さんざんな目にあわされたことがあります。
株ではこちらもうっかり暴走してしまったのです。


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2010年4月22日(木)

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