中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3700
国営企業の中にも少しは有能な経営者が

国営事業が化粧なおしをして証券市場に上場しはじめた頃は
何が中国の成長産業になるのか、見当もつきませんでした。
上場企業と言っても、そのトップになっているのはお役人さんで、
お役人に企業が経営できると私には到底思えませんでした。

ですから銘柄を選ぶとすれば、
誰が経営者になっても立派にやって行ける事業であるとか、
必需品なのに独占性の強い、
たとえば石油とか石炭などを扱う仕事ならば罷り間違えても
そんなにひどい目にあわされる心配はありません。
ウォーレン・バフェットさんが石油株を物色したのも、
もちろん、そうした配慮があってのことだと思います。
そして、もう1つ、経営を委ねられたお役人の中にだって
経営能力のあるすぐれた人が全くいないわけではありませんから、
そういう人の経営する企業を探せばいいのですが、
10年前には誰がそういう人であるか、
見当もつきませんでした。

あれから10年あまり激しい生存競争を経て、
国営上がりの事業であるにも拘らず、
民営に伍してもひけをとらない事業群がいくつか誕生しています。
そういうチームが手を拡げて不動産業や
流通業や電力、石炭などのエネルギー産業に進出しても
立派な業績をあげているのが目につきます。
それを10年前に見極めておれば、
株式投資で立派な成果をあげられたのに、
ということになりますが、
「株式投資は猫のキンタマです」
というように前からは見えないが、
取りすぎて見てはじめて大きな声で言えることです。

ですから10年前は私も勝手がわからず、
中国株に手を出すのもこわごわで、
1回に注文を出すのも5万株とか、
10万株ていどで子供のお遊びみたいなものでした。
本当に「中国の成長株は何か」という立場に立って
中国経済の動きを見るようになったのは、
私企業がその中に割り込んで
小さいなりに頭角を現わすようになってからで、
まだ5、6年もたっていません。
50年前の日本だってそうだったのですから
成長株と言っても
中国で株をやっている人たちにわかってもらえるまでに
かなり時間がかかります。


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2010年4月27日(火)

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