中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3701回
中国ではじめて出会った成長株

私が中国株を買う時に成長株という意識を持ったのは、
私が深圳市の東江環保と珠海市にある
麗珠医薬の本社を訪ねた時のことでした。
ちょうどその少し前に、
日本で汚水処理の薬品を考案した人があって、
陶器の不良品を細かく砕いて水にといたのを
汚水の中に投下すると瞬時に汚水がきれいになるので、
これを中国の汚水処理業者に売り込んでくれないかと
依頼されたのです。

私は汚水処理や破棄物のリサイクルには関心があって、
栗田工業が株の上場をする時に立ちあったことがあります。
まだ汚水処理がどんなものか、
投資家の誰一人関心のなかった頃、
たまたま栗田春生さんと懇意になって
大阪にある同社の小っぽけな本社を訪ねたことがきっかけになって、
そのスタートから今日の栗田工業や
その同業者たちの動きをつぶさに見てきたので、
中国でもそろそろその時期に来ていると直感したのです。

中国株の四季報をひっくりかえして調べて見ると、
東江環保が出てきました。
汚水処理専門ではなくて、破棄物のリサイクルが主な仕事ですが、
汚水処理にも少しばかり首を突っ込んでいる様子なので、
深圳になる証券会社の人に頼んで
工場見学をさせてもらうことにしたのです。

汚水処理の薬材の売り込みをすることには成功しませんでしたが、
会社の董事長さんに会い、
業績の推移について説明を受けているうちに、
こんな会社の売上げは
大へんな勢いで伸びるのではないかと直感しました。
「中国は世界の工場になる」
とジャーナリズムはしきりに報じていますが、
世界の工場になるということは
世界の環境汚染を一手に引き受けるということにほかなりません。

「こんな会社が中国の成長株になるんじゃないか」
と私は早合点して、東江環保に買いを入れて見ました。
私が最初に買った値段が0.8ドルでしたが
いまは5.5ドルですから約7倍になっています。
倍になった時に半分売ったので、持株は只ですが、
いまもずっと持ち続けています。


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2010年4月28日(水)

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