中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3702回
製薬会社の株に目をつけたわけ

いよいよ中国も成長株買いの時代に
入ってきたらしいなと考えた私はもう一度、
株の資料をひっくりかえして調べ、
いくつかの銘柄が目につきました。
なかでも薬品株は所得水準が上がりはじめると
それに比例して売上げのふえる業種であり、
何より有望なのは俗に「薬九層倍」と言うように
利益率の高いことです。

日本で株に手を出しはじめた頃は
まだスケールの小さかった武田製薬の本社に
何度も出かけたことがありますが、
気がついた頃にはタケダは現金を1兆円も抱えた
財務の優等生になっていました。
それに比べると中国の西洋医薬はまだほんの駆け出しで、
既に特許の切れた薬をつくったり、
特別に許可をもらって現地生産を手がけている程度で、
立派な中央研究所を持った製薬会社はまだ只の1社もありません。
日本だって元を言えば、
そういうところからスタートしたのであって、
大きな潜在市場を持った中国を最初から侮ってかかったのでは
大きなチャンスを取り逃してしまいます。

というわけで私はまだ小さな中国の製薬会社をあちこち見てまわり、
その中から山東羅欣、銘源医療、東瑞製薬、
維奥医薬などを取り上げました。
なかには役員たちが株好きで、
株価があがると株をすぐ売りに出す会社もあれば、
梃子でも株価が動かず、
その変わり大暴落の中でも全く下げなかった会社もあれば、
また董事長以下経営陣がすっかり入れ変わった会社もあって、
こちらが目のまわる目にあわされましたが、
そうしたなかで、文字通り成長株の優等生として
いまも群を抜いている山東羅欣のような例もあります。

山東省の臨沂という町にあって、
当時は上海からしか飛行機の便がなく、
それも夜の11時頃に到着するので、
自分は迎えに行けないけれど、
秘書室の若い者が飛行場からホテルまで案内しますから
という董事長さんのはからいで、
はじめて会社を訪問したのが今から5年くらい前のことです。
その頃の株価が0.5ドルで
今が8ドルに手の届くところまで成長しましたから、
ちょっと信じられないような話です。


←前回記事へ

2010年4月29日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ