中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3704回
成長株買いをやっても失敗するわけ

香港の証券取引所では
上場会社の発行株数の5%以上を買い占めると、
取引所に報告する規定になっています。
私はもともと他人のつくった会社を
自分の傘下におこうなどと考えたことはありませんし、
株価が買値の倍以上になったら半分売って持株を只にして
あとは長期保有にしようという主義ですから、
比較的順調に思惑通りに推移した投資は
ほとんどが只の株になっています。

私の株のやり方はとても簡単で、
この株はこれから3年、5年たっても
ずっと仕事がふえてお金の儲かる仕事かどうか、
仮にそうだとしても、いつどんな値段で買うのが一番いいのか、
と2つのことを考えるだけで、
あと景気がどうなるのか、
金融不安でどういう目にあわされるのか、
円高になったり、ドルが暴落したらどうなるのか、
株をやっている人がいつも神経質になっていることなど
屁とも思っていません。
そんなこといちいち気にしていたら
夜が寝られなくなって株なんかやっていられなくなります。

もちろん、普通に株をやっている人がどういう反応をするのか、
その結果、
どんな目にあわされるのか、
一通り承知しています。
しかし、そういうやり方をくりかえして
金持ちになった人を見たことがありませんので、
安くなった時はチャンスであり、
高くなった時は調子に乗らないように、
つまり非情に徹するような努力をしています。

それでも三度に一度は失敗をくりかえしています。
どうしてか、あとでふりかえって見ると、
先ず第一に人を見る眼がないことです。
どんないい仕事だって経営者にその能力がなければ
成功はできません。
もう1つは私が自分の経験から得た先入観が
次の見る目を誤らせることです。
オートバイが自動車とマイカー・ブームの間に
必ずあるというのだって私の先入観だったし、
テレビ・ショッピングは中国でも
ビッグ・ビジネスの1つになるだろうと早合点したことだって
私に失敗をもたらしました。
失敗の中にノウハウあり」と負け惜しみを言っていますが。


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2010年5月1日(土)

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