中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3705回
半分損したら倍上がる株を探がせ

私は株式投資をするに際して
相場張ろうなどと考えたことは一回もありません。
是川銀蔵さんとうまく意見が合って
新日鉄に陽があたるぞと
是川さんに提灯をつけたことがありますが、
自分にそんな才能も肝っ玉もないので、
相場師たちが騎虎の勢いで兜町に名乗りをあげ、
やがて視界から遠ざかって行くのを
指を食わえてみているだけです。

私にできることは時代の移り変わりの中でどこに陽が当り、
どこにお金が集まりそうなのか、
そういう銘柄は何なのかを探して当てるくらいのことで、
私の成長株クイズにしても3つに1つくらいは失敗します。
どうしてかというと、
私が全く予想もしていなかったことが起ったり、
経営者が思いのほか無能力だったり、
私利私欲に走る人間であることを
見抜けなかったりすることのくりかえしだからです。

3回に1回失敗しても、あとの2回がうまく当たれば、
それなりの利益をもたらしてくれますから、
それなりのプラスになりますが、
ご自分の意見が全くないままに
私が見事に失敗した銘柄に提灯をつけた人は
たまったものではありません。
またそういう人に限って、
株価が上がりはじめてから高値にとびつきますから、
踏んだり蹴ったりの目にあわされます。

そういう目に私自身があわされた場合でも
私はかなり気長に心棒します。
今日買って明日売るなんてことは先ずありません。
それでもいよいよ駄目だとはっきりわかった時は
新しく目をつけた銘柄に乗りかえますが、
自分で決めたことですから、人のせいにすることはできません。
下げたといっても精々買値の半分ですから、
次に選ぶ株が倍になればすぐに取り返しができます。
5倍に値上がりした株だって
売らない間の儲けは壁に描いた餅なんです。
ですから損をした株を抱えていても
さしてえらい目にあわされたとういう実感はありません。
持株全体が大赤字にならなければいいのですから、
大騒ぎをするほどのことではないのです。
どうせ面白半分にやっていることですから。


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2010年5月2日(日)

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