中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3706回
上がった株を残して下がった株を売れ

自分の生んだ子供だって思い通りに育ってくれないのに、
株を買う人は株価が自分の思い通りに
動いてくれることを期待します。
利益があがらないのも、
利益があがっているのに配当が少いのも、
経営者のせいにするだけでなく、私のせいにまでして、
出任せの悪口を言う人が後を絶ちませんが、
株価に言うことを聞いてもらえないのは
あなただけではないのです。

株をやっている人なら誰でも経験していることですが、
持っている株の中で一番よく上がるのは
少ししか買わなかった株にきまっています。
本命と狙って大量に仕入れた株は
待てど暮らせどなかなか上がりません。
しびれを切らして思い切って投げたら、
その途端に値上がりをするのが株なのです。
株ばかりは長い間、やっているから上手になるものではありません。
長い間やっていても、
同じことをくりかえしているだけですから、
上手にならないにきまっています。

ですから思い切って自分がいままでやってきたのと
反対のことをやって見たらどうでしょうか。
大抵の人は値上がりした株を処分し、
買値に届かず損をしている株はいつまでもジッと持っています。
ところが、株価のその後の動きを見ていると、
上がる株ほどよく上がって、
値下がりした株は待てど暮らせどビクともしません。

それなら思い切って値上がりする株は手元に残して、
なかなか値上がりしない株は損切りしてはどうでしょうか。
そうなると、儲かった株ばかり手元に残って、
「株はやさしいな」と言うことになるかも知れません。
しかし、言うことはやさしく、
実際にそれのできる人は一握りしかいません。
「桃栗三年、柿八年」と言いますが、
株をやる人の大半は
「やりくり三年、恥かき八年」
ですめばいい方じゃないでしょうか。
私のように損をした株は思い切って処分して
儲けて只になった株だけ手元に残す真似ができてから、
私に文句を言ってはどうでしょうか。
きっと悪口の言い方も変わると思いますよ。


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2010年5月3日(月)

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