中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3709回
増資して亨泰が手に入れた農地は400万坪

私は亨泰の董事長さんに誘われるままに、
亨泰の上海の販売基地の見学にも行きましたし、
また江西省にある農場の見学にも行きました。
いずれも私の予想を越える大きなスケールだったし、
殊に大きなスーパーを対象とした冷凍食品の倉庫は
各社ごとに商品が貯蔵されていて、
将来、巨大な農場が完成したら
野菜の流通規模は一変するに違いないと
思わせるだけのスケールのあるものでした。

ご承知のように、大規模農業の上場企業には
既に超大現代農業と中国緑色食品の2社があります。
私はその2社の生産現場にも足を運んだことがありますが、
両社とも一次産業でありながら、
日本人の常識では考えられないような好業績をあげています。
自作農のやり方をただ大きなスケールでやっているだけなのに、
1社は売上げの40%、もう1社は30%の収益を計上しています。
自社で加工食品すら持っていないのに、
天秤棒で担いで市場に持って行く代わりに
スーパーや加工業者や輸出業者に売り渡しているだけで
1社が20億元、もう1社が10億元もの利益をあげているのです。

ですから、その川下の仕事をやっている亨泰のような流通業者が
川上の原料生産に乗り出したら、
既に販売網を持っているのですから
鬼に金棒ではないかと直感したのです。
私が投資考察団を連れて江西省の農場に行った時は
江西省の監督官庁の要路の人たちと食事を共にしましたが、
その後、会社で2株に1株の有償増資を発表しました。

その寸前まで私に何の連絡もなかったので頭をかしげていたら、
土地の取得をするならいまのうちだ、
もうしばらくしたら何倍もの地価になるだろうと
警告を受けていたことがわかりました。
産業界全体がピンチの時に増資を発表したら
金ぐりに困っているのだろうと思われて株価が下がります。
本当に亨泰の株価も下がりました。
でも増資したお金で亨泰が手に入れた農地は400万坪です。
農地の開発は木を植えるのと違って、1年で完成してしまいます。
その完成の期限が今年の6月前後と私は見ています。


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2010年5月6日(木)

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