中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3710回
これが成長株と思ったら長い目で辛抱強く

亨泰が2対1の有償増資をした時期はたまたま金融津波で、
あちこちに倒産や支払い滞納の時期と重なり合っています。
亨泰もその影響を受けて
一昨年の7月から昨年の6月までの業績は
悪化する方向にありました。
会社も事前にその予告をしていましたが、
実情をよく知らない株主は当然、
逃げ腰になります。

でも私は会社の事情を一通りきかされていましたから、
株価の下がった時はむしろ絶好の買い場でした。
と言っても会社の内容を洗いざらいきかされていたわけではなく、
(1)不良債権はもうこれ以上はふえないだろう。
(2)会社の売り上げのうち
農作物は昨年度まで全体の4割だったのが農地の拡大により
今年の6月までの今期は5割をこえるだろうこと。
(3)従って最悪期は既に乗り越えて、
もう心配はなくなったというだけのことでした。

もちろん、それだけの情報でも
株をやる人にとっては買うか買わないかの材料にはなります。
とりわけ私のように
一くぎりを3年とか、5年と考える人間にとっては、
目先より3年先、5年先の方がずっと大切です。
なかでも中国の食糧問題の動向に
大きな関心を持っている人間にとっては
3倍、5倍、10倍という展開は可能という判断の材料になります。

ところが、「明日はどうなる?」「少くとも半年は持つ積り」
などという人にとっては、
「アメリカはどうなる?」「万博が終ったらどうなる?」
と心配のタネばかりですから、
中国の旱魃(かんばつ)や
人民元の行方の方がずっと心配のタネになります。
そういう産業界全体の動向も、もちろん、
大きな影響をあたえますが、
私のように「それでも人間はちゃんと生きて行くんだ」
と考える人間にとっては太陽が
地球上から消えてしまうのでない限り、
株は持ち続けることになります。

ところで、今、私が向き合っている株は、
もちろん、亨泰だけではありません。
3つや4つは頭の中にあるし
次にその仲間入りをする株もあります。
そういう株が見つかったら皆さんもどうぞ私にも教えて下さい。
私がうっかり見逃がしている場合もたくさんありますので。


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2010年5月7日(金)

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