中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3714回
不動産株にはまだナンピンのチャンス

いま北京にいて一番よくきかれることは
「こんなに不動産が値上がりして、
庶民の収入では手の届かない値段になってしまいましたが、
日本のようにバブルが発生して大暴落しないものでしょうか」
ということです。

経済が発展すれば、不動産の値上がりがすすみ、
庶民の手の届かないレベルに達することは
日本でも経験した通りです。
しかし、最後のバブルの全面的崩壊に至るまでに
何回も山川を越えています。
景気は3年か4年毎に一山越えるので、
その度に不動産が値下がりしたり、売れ残ったりして、
資金のショートを起した不動産会社は倒産をくりかえしましたが、
安い時に無理をしてマイホームを買った人たちは
何倍にも何十倍にも値上がりして、
結局、自分の持ち家が確実な財産として残っています。

ですから不動産だけが一番頼りになる財産だと
多くの日本人は考えていますが、
最後にバブルのはじけた時は
財産が10分の1、5分の1まで値下がりしましたから、
返済しきれないくらい借金を抱えた人だけが
ひどい目にあわされたことになります。
借金をしなければ不動産は手に入りませんが、
払いきれないくらい借金を抱えていると
ひどい目にあわされます。
従って借金と収入のバランスを
うまく整えることのできた人がマイホーム持ち、
家作持ちになったということです。

中国でも経済の発展と共に全く同じことが起っています。
もしかしたら中国人の方が日本人よりバクチ好き、
冒険好きといえるかも知れません。
どうせ何もなかったのだから、
マイホームが手に入ったら恩の字だし、
失敗して銀行に持って行かれてもメーファーズさ、
とあきらめる潔ぎよさも中国人にはあります。

さしあたり、いまはまだ
バブルが崩壊する場面には達しておりませんので
不動産はもっと値上がりする方向にあるし、
マイホームづくりはまだまだ可能だと多くの人が思っているのです。
ですから不動産は下がらないのに不動産株が下がったら、
ナンピンのチャンスと思って間違いないでしょう。


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2010年5月11日(火)

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