中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3718回
アフリカでも資源獲得の大合戦が

最近、私は目につくと、
よくアフリカに就いて書かれた本を買い、
色んな意味で興味を持って読んでいます。
というのも20年も前に南アフリカを訪れ、
その治安の悪さに驚き呆れた体験があったことと、
昨今、アフリカの資源の奪い合いがはじまって
どんな結果になるか固唾を飲んで見守っているところだからです。

前にヨハネスブルグに行った時、
ホテルの地下にあるスーパーまで
同行者と3人で買物に下りて行ったら、
拳銃を持った不良につきまとわれて、
どうしてもエスカレーターまで辿りつけず、
やむを得ず店の人にホテルに電話をかけて
迎えに来てもらったことがあります。
町を歩いていてギャングにあったのならあり得ることですが、
自分の泊っている一流ホテルの地下でのショッピングですから、
どんな治安の悪さか想像していただけると思います。

ヨハネスブルグでさえそうですから、
中部アフリカや西部アフリカが
どんなことになっているか想像して見て下さい。
そうした未開の地で資源争いがはじまっているのですから
どんなことが起っているか想像力をもっと逞しくして下さい。
ヨーロッパ人にとっては旧植民地ですから、
かつての統治の続きがはじまっているのは当然ですが、
そこへ資源獲得のために中国が割り込んでいるのです。

旧宗主国の連中に対する憎しみと怒声が
起ったとしても不思議ではありませんが、
中国は豊富な資金と道路や港湾の建設と
治安恢復のための武器の提供をしています。
また胡錦濤国家主席や温家宝首相が
現地を訪問しているだけでなく、
アフリカ30何ヶ国の元首を北京に招聘して
国際会議もひらいていますから、
旧帝国主義国家とは自ら違った好印象を
アフリカ全体にあたえています。
日本人と違って多くの中国人が建設現場に立ちあっていますから、
あと10年もしたら資源確保の分野でも
大きな違いが出てくるに違いありません。
それでも中国政府の悪口を言っているだけで
次の時代を日本人は生き抜けて行けるのでしょうか。


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2010年5月15日(土)

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