中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3721回
次は技術の買収合戦がはじまります

いま世界中を見渡すと、
アメリカやヨーロッパの国々から
目の敵にされている国々や民族がいくつもあります。
アフリカや中近東に一番たくさんありますが、
アジアで言うと北朝鮮とミャンマーがその代表です。
今風のデモクラシーから程遠い政治をやっているので、
貿易面や金融面で制裁を受けていますが、
向うも負けてはおらず、ミサイルを打ちあげたり、
原子力の開発で神経戦をくりかえしています。

そういう国々に対して援助の手をさしのべているのが中国です。
西側の物差しで図ると、
どうしてそんなやり方をするのだろうかと
首をかしげる人も多いでしょうが、
中国が面倒を見てくれるおかげで、
それらの国々の政権も息がつけているわけだし、
現に資源の開発から産業の開発まで
中国に頼る動きが次第に活発になっています。
気がついて見たら、
中国がかつて世界に君臨していた時代の
朝貢国との関係が復活する方向に動いているのです。

実はこの形は近隣の仲間はずれにされている国々だけでなく、
遠くアフリカや南米にまで及んでいるので、
資源戦争ではもはや勝負がついたようなものです。
アメリカ人が自分たちの生活のために乱発したドルが
中国の新しい仲間づくりで
重要な役割をはたしはじめているのです。

資源戦争はもはや勝負がついたようなものですが、
次は生産技術の奪い合いに入ります。
日本は売れる資源を持っていないので
資源争いではリングの中にはいませんが、
これはと思う生産技術を
ドルで買われる時代に入ろうとしているので、
これから次々と買収の対象にされます。
自動車生産の技術がアメリカから日本へ移ったように、
次は日本から中国に移る徴候は既に見えています。
アラブの人たちは資源を抑えることはできても、
工業生産にまで手は届きません。
資源だけでなく、資源に付加価値をつける技術も、
世界を大移動する動きが既にはじまっているのです。
次に起ることによくごらんになって下さい。


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2010年5月18日(火)

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