中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3722回
第二の羅欣、2匹目のどじょうは?

5年ほど前に新しく私の北京秘書になった上田尾君を連れて
山東省の臨沂というところにある山東羅欣という
小さな製薬会社の見学に行ったことがあります。
もしかして次の時代の中国の成功株の一つになるのではないかと
目をつけたのです。

工場を見せてもらい、董事長さんの抱負もきいて、
これなら間違いないだろうと考えた私は
帰ってから少しずつ同社の株を買いはじめました。
1株が0.5ドルの時でした。
私はかくし立てのできない人ですから、
周囲の人には自分のやっていることをつい喋ってしまいます。
邱友会に欠かさず出席している人の1人が
私の言うことをきいて山東羅欣の株を5百万株ほど買い集めました。
投資を専門にしているプロではなくて、
地方のお役所勤めをしているサラリーマンの1人です。
恐らく全財産に近い金額ではなかったかと思います。

私は成長株は売り買いをするものではなくて、
じっと辛抱強く持ち続けるものだとふだんから言っているので、
本人もその通り持ち続けてきましたが、
最近になって羅欣の株価は遂に10ドルを突破してしまいました。
人のふところを勘定するのもどうかと思いますが、
1銘柄だけで香港ドル5千万ドルに達してしまったのです。
円高による調整を勘定に入れても、
ザッと6億円はある勘定になります。

こんなことが現実に起って見ると、
同じような動きをする成長株はほかにないかと
誰だって考えたくなります。
成長株は何も薬に限りませんから、
ほかにもよさそうな候補株を探がしては
会社見学にまで行っていますが、
経営者の能力や人格を私が見誤って失敗に終った例は
前にも述べたように3つに1つはあります。
ですから私の意見をきいても、
情報の一つとして耳に入れ、
先ずご自分でよく調べることをおすすめしているのです。

そういう私だって2匹目のどじょうはいないものかと
耳をきょろきょろさせます。
するとそれがありそうなんですね。


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2010年5月19日(水)

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