中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3723回
薬の効き目はワインより早いでしょうね

成長株は何も薬品株に限りません。
時代が変わると、次々と新しい成長株が誕生してきます。
しかし、羅欣のような前例があると、
つい目は製薬会社の方に向ってしまいます。

そのおかげで、東瑞製薬の見学に行ったこともありますし、
維奥医薬を訪問したこともあります。
過去の業績を見てこれなら大丈夫と思っても、
会社の癖みたいなものもあるし、
経営者の能力や経営陣そのものの入れ替えということもあります。

しかし、社会全体が豊かになったら、
医療に力が入ることは人間の本能に基くものだし、
中国人は人一倍健康に関心を持っていますから、
薬品株は成長業種のトップには位置しなくとも、
3つの中の一つには入ると言ってよいでしょう。
その上、政府が力を入れて税金を負けたり、
研究を奨励していますから、
投資家たちの注目を浴びています。

そういう目で見ていて最近、業績の伸びの最も著しいのは、
注射液の製造販売をやっている利君国際製薬ではないでしょうか。
この会社は2008年度は前年比ちょっと後退しましたが、
昨2009年は営業成績が大して伸びていないにも拘らず、
利益が一挙に2倍半の2億4千万ドルにも上昇し、
昨年は6月の半期、12月期の年度末にも僅か2セントずつですが、
配当をやれるようになりました。

会社の発表では抗生物質の伸びも順調で、
つい4月30日に第一四半期の業績発表がありました。
売上げも利益の伸びも予想通りなので、
香港の投資家の間で注目を浴びるようになり、
株価も1ドル台からあッという間に
3ドル近くまで買い上げられました。
はたしてこれから第二の羅欣に成長するかどうか、
結果を見ないとわかりませんが、
もともと薬九層倍の世界ですから、
売り上げが順調に伸びるようなら
「夢よ、もう一度」が現実の物になる可能性がないとは言えません。
薬の効き目の方がワインの効き目より早いことが前提ですが、
ワインにしても後からだんだん効いてくることに
間違いはありません。


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2010年5月20日(木)

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