中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3733回
雨潤食品は中国最大の肉屋さんです

中国人は日本人と違って肉食の歴史が長いので、
全国隅々までどこにでも肉屋さんがあります。
民族により、また宗教により、豚肉を食べない人もあれば、
牛肉を食べない人もありますが、
肉屋は珍しいものではありません。
それだけに肉屋の急成長というのはありません。
大きな肉屋が現われても、
家族経営の肉屋さんと生存競争をさせられます。

しかし、それでも高度成長がはじまると、
食肉の加工食品が次々と現われ、
それがスーパーやデパートで売れるようになったので、
次々と大きな肉屋さんが誕生するようになりました。
株式市場で一番有名になった食肉加工業者は
南京の雨潤食品です。
何しろ1年に2500万頭もの豚を処理する
世界一の屠殺業者になったのですから、
年と共に業績もあがり、
株価もとうとう20ドル台まで買い上げられるようになりました。

私の台湾の友人の中には食肉加工を業とする人もあり、
提携話もあれこれありましたので、
早くからこの会社の存在を知っていましたが、
同じ株を買うにしても、
優先する成長株がほかにたくさんありましたので、
つい目が届きませんでしたが、
5年前と今とでは売り上げも40億元台から140億元台になり、
株価も3、4元からとうとう20元を突破してしまいました。

最近のこと、経営のトップが増資をして資金集めをすると同時に、
自分の持株の一部を売りに出したので、問題視されていますが、
大きな不動産を入手するための資金づくりであると
本人は説明しています。
何しろ全国にわたって所得水準が年々引き上げられ、
食品に支払われる代金が急速にふえているので、
冷凍用や缶詰だけでなく、
ハムやソーセージも大へんな勢いで伸びています。
そのプロセスでこの会社も不良品の摘発で問題になったり、
評判をおとす場面も起っていますが、
それを乗りこえて
次の大きな展開がはじまろうとしているところです。
既に株価が高くなりすぎていることが
新規の株主になる人にとっては難点ですが。


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2010年5月30日(日)

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