中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3734回
食肉業よりソーセージの店に注目を

ここのところギリシャの財政困難からはじまった
ユーロの大暴落に端を発した世界的な株安で
へこたれている人が多いようですが、
中国はその影響の最も少いところですから、
私は株の入れ替えをするまたとないチャンスだと思って、
連日、忙しい思いをしています。
全然、心配していません。

前にも申し上げましたが、
かつて日本で自動車ブームがはじまった時、
私は自動車株を買うよりも、
自動車が通れるように道づくりをすることが先決だから、
トンネルや橋梁をつくる会社をすすめて
大当りをとったことがあります。
中国でも自動車ブームがはじまると、
自動車メーカーはどこも拡張また拡張と続けていますが、
どの自動車メーカーが
中国のトヨタやホンダになって生き残るかまだ見当がつきません。
生き残るメーカーよりも
淘汰される側にまわる自動車メーカーの方が
ずっと多いのですから
自動車メーカー以外に、
自動車ブームによって、
もっとも確実に儲かる商売は何かということに関心があります。

エネルギーが恐らくそのトップでしょうが、
私はエネルギーを大量に運搬するパイプ・ラインに目をつけました。
はたしてその通りになるかどうかは
あと、2、3年たってみないとわかりません。

それと同じことが食品業界にも起ると見ています。
所得水準が上がれば、
肉を食べる人がふえますから、
日本でも日本ハムや伊藤ハムが大会社になりました。
雨潤食品は中国の食肉業界の最大手であり、
今後も年々、大へんな成長をすることは目に見えていますが、
食肉業が大成長をするとそれに負けずに、
あるいはそれ以上に利益率の高い企業が現われます。
お気づきかどうかわかりませんが
それはソーセージの皮をほとんど独占的につくって
雨潤食品をはじめ、全国の食肉加工業者に納入している
神冠控股(0829)という会社です。
何しろ売上げの半分が計上益で、
しかもそれが年々倍増の勢いで伸びていますから、
そんなに遠くない将来に
株価の方も雨潤に追いつくのではないでしょうか。

何しろ株価が雨潤の3分の1以下で、
計上益が売上げの半分を占めていますから、
申し分はないのですが
唯一の欠点は設備に熱心な分だけ
株主に対する配慮がまだされていないことです。
いずれ私が広西省まで工場見学に行って
アドバイスする積りですが、
投資家の側から見た場合、
もう一つの難点は浮動株が少いことでしょうね。


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2010年5月31日(月)

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