中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3738回
北京、上海より地方の成長都市を狙え

日本人だけでなく、外国人は中国と言えば
すぐに北京とか上海を頭に浮かべます。
ですから、中国に行って仕事をしようとか、
企業進出をしようという話になると、
北京でやろうか、それとも上海にしようかということになります。
とりわけ流通業やサービス業をやっている人たちは、
人口の多いところと
金まわりのいい人が多く集まっているところを狙いますから、
この2つの大都市に進出する人が多いのです。

でも中国で人口が1000万人を越える大都市は
ほかに重慶、成都、天津があります。
重慶市の人口は3000万人だし、
天津市は沿海地帯にあり、韓国に近い距離に位置しているので、
韓国企業の一番たくさん集中している大都市です。
それに対して成都は三国志の中に出てくる
諸葛亮孔明が軍師をつとめた
蜀の国の首都のあった歴史の古いところで、
こんな奥地にこんな大都会があったのかと
歴史のことをよく知らない人たちはとてもびっくりします。

私はたまたま中国進出の時点で、
四川省長さんや成都市長さんに頼まれて
成都の商業地域の開発を、北京、上海と同時にスタートしたので、
サービス業をやるなら奥地の方が有利なことを実感しています。
なぜなら人件費も家賃も奥地の方がうんと安いのに、
デパートやスーパーで売る商品の価格は
上海、北京と同じだからです。
現に私が成都に誘致したイトーヨーカ堂は
成都の業績の方が他の地域をダントツに抜いています。

ところが最近は工業の発展が地方都市にも及び、
工業化に成功した地域では就職に困るようなことはなくなったし、
働いている人たちの所得も年と共にふえるようになったので、
人口が200万、300万以上の都市では
高層ビルが立ち並ぶようになり、
スーパーも百貨店も林立するようになりました。
私が5年間、お留守にしていた
安徽省々都である合肥市がまさにその典型です。
同じ人口の急増している都市でも工業が発展して、
その土地の人たちの収入がふえていることが大きな魅力ですが。


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2010年6月4日(金)

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