中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3743回
確たる見通しと辛抱が必要です

日本では高度成長期はとっくに通り過ぎて、
どちらかというと、衰亡期に突入して
にっちもさっちも行かない目にあわされているので、
世界的な金融ピンチが株価に大きな影響をもたらすと、
「それッ。
中国のバブルもいよいよはじける時が来たぞ」
と小躍りする論調が新聞を賑わせます。
すると、中国経済の成長はまだはじまったばかりで、
まだまだチャンスがあると信じて中国株をやっている人までが
うろたえて株の投げ売りの片棒を担いだりします。

結果は、投げた所が底値になって、株価が戻り足になって、
儲けどころか損を実現することになってしまいます。
たまたまそういう大暴落のさなかに
私が新しい成長株の紹介をするのを見ると、
怒り狂って「Qの謀略にひっかかるな」と
大きな叫び声をあげる人が出てきます。
私が書く原稿は大抵、発表する2、3週間前に執筆しており、
大暴落を予想して書いているわけではありません。
それほど相場に敏感でありませんし、
短期勝負を狙って執筆しているわけでもありません。

私の場合は、経済の大きな流れを頭に描いて、
少くとも向う3年、世の中がどう変わるか、
それにどう対処するかに就いて話をしているのです。
たとえば、亨泰に目をつけたのは人民元の値上がりを念頭に入れて
輸出より輸入で稼いでいる銘柄を探がした結果であって、
それだけでも2、3年しないと業績に現われないのに、
野菜の輸入を手がけていた企業が
輸入より自社生産が有利なことに気づいて
大規模農業に進出するのを応援するとすれば、
更にもっと長期にわたって応援する覚悟が必要です。

私ははっきりした業績として現われるのに3年や5年はかかるなあ、
しかし、うまく行ったら
株価が10倍くらいになってもおかしくないなと思って
大株主になったのです。
それなのに昨日、株を買った人が
「今日なぜ上がらないんだ」と大声をあげて私を罵るのです。
どうやって株で儲ける積りなんでしょうか、こんな人は。


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2010年6月9日(水)

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