中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3747回
次はあなたの会社が買われる番です

中国のように長い官僚専制体制が行き詰って
共産主義に走った国で次に選んだ体制が
社会主義市場経済という
自分たちでもわけのわからない体制でした。
過剰人口と安い賃銀と貧しい環境の中で
遮二無二選んだオマンマへの道が
一生懸命働いて工業的な付加価値をつくり出す
かって日本が選んだ工業化への道と同じものでした。

お金もなく、技術もなく、
資源も未開発な国でできることは
国家による統制を廃止することと、
4つの経済特区をつくって実験することと、
そしてとりあえずは外資に道をひらくことでした。
たったそれだけのことをやって「世界の工場」
への道がひらけるとは中国人自身、
誰1人信じられなかったと言ってよいでしょう。
中国人にもともとそうした国際性と資質があったからだと
後になってから言えることですが、
物づくりで世界中どこの国を相手にしても競争できるとなれば、
自分たちでつくった物を
自分たちで消費するくらいのことは何でもないことだし、
先進国から後進国まで
世界中の要求に合わせて製品を供給することもできるし、
何が足りなくてどこから資源を調達することができるかも
しぜんに見についてきます。

日本の工業化が進んだ時代は先進国だけが日本の相手でした。
中進国や後進国にはもともと払うお金もありませんでしたから、
資源は少くてすんだし、
払うお金さえあれば
いくらでも手に入れることができました。
そういう時代に産をなした日本は
資源の確保をする必要を感じなかったので、
資源の確保に手ぬかりがあったのです。
今からではもう間に合いません。
日本が世界の工業を左右できる時代は
もう既に終わっているからです。

次に起ることは世界の技術が買われる番です。
技術は売らなかったら、
手元に残るというものではありません。
たとえばレナウンのノウハウは
たったの30億円で中国資本の手に移りますが、
日本では赤字に終始するノウハウが
中国へ移るとお金を生んでくれるのです。
そういう微妙な動きを拒否する実力が
いまの日本にあるのでしょうか。


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2010年6月13日(日)

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