中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3748回
中国もいよいよ人手不足の時代に

次はあなたが働いている会社の技術が
会社ごと買われる番だと言ったら、あなたはびっくりしますか。
びっくりすることはありません。
買われるだけの技術のある会社はまだいい方で、
大半の会社は相手にもされず、
そのまま店じまいになることの方がずっと多いのです。

でも日本にだってすぐれた会社はたくさんあります。
日本に残って世界中を相手に競争して生き残れる会社だって
たくさんある筈です。
もちろん、そういう会社もありますが、
グローバル化の時代ですから、
そういう会社でも大半がいまのまま日本でやって行けなくなって
工場を世界中もっとも有利に経営のできる
国や地域に移さざるを得なくなったり、
いままでやってもいなかった新しい事業に
変わったりすることが考えられます。

ついこの間もトヨタ自動車がエンジンの生産工場を
日本から外国に移すことが報道されていましたが、
世界中が市場と言うことになればどこで部品をつくるか、
どこで組立てて、どこで売るかは、企業によって違ってきます。
日本からはじまった企業でも、
生産工場や本社まで
ずっと同じところにいるとは限らなくなるのです。

そうなると、どこの国の人がどこで働くかだって
きまりがあるわけではありません。
いまは日本人が外国につくった生産工場に
日本から派遣されて働くのが普通だと考えられています。
本社から派遣されるのですから、
給料も現地人より高く、
特別手当をもらうのは珍しくもどうもありませんが、
既に中国のホンダで派遣社員の給与が
現地人の50倍もあることがストのきっかけになっています。
日本人にそれだけの働きがあれば別ですが、
いずれ問題になることの一つだと私もかねてから思ってきました。
中国も労働者がいくらでもいる時代から、
人手不足の時代に突入しようとしているところです。
経営者にとっては大へんなことになりますが、
中国では本格的な消費の時代が
いよいよはじまったと見ていいでしょう。


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2010年6月14日(月)

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