中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3773回
勝利管道と珠江鋼管がオイルパイプのメーカーです

グローバル化時代の新しいビジネスは何かという疑問は
常に私の頭の中にあります。
ユニクロのような商売の仕方だってそうだし、
百円ショップの発想だってそうです。
でもまさか石油や天然ガスを運搬するパイプにまで及ぶとは
思ってもいませんでした。

これも中国とアメリカのいがみ合いとか、
人民元とドルのかけ違いにふだんから興味を持ち、
そういう文献にもなるべく目を通していたからでしょう。
何年も前から中国政府の要人たちは
貿易黒字で貯まった外貨を
海外資源の確保に使うことを思いつき、
自分らが先頭に立って、
アフリカから中近東、東南アジアまで
あちこち歩きまわっています。
それもアメリカと「目には目を、歯には歯を」で
敵対している国々に気前よく援助資金を注ぎ込んでいますから、
そもそものスタートからして
日本人の常識をこえた出来事だったのです。

しかし、輸出や対外政策が優先して、
国内消費を後廻しにした中国におけるお金や物の流れを見ると、
中国の石油の消費量は既にアメリカの半分に達しているのに、
給油パイプの普及はまだアメリカの10分の1にも達していません。
日本のような島国なら
いくつかの拠点まで原油を運搬すれば用が足りてしまいますが、
中国のような広大な大陸では
やはりアメリカ並みの給油システムを完成させる必要があります。

それをやるために中国石油天然気集団が
傘下にパイプラインの設計から建設、
運営まで企業をつくっていますが、
スタートしてまだ何年もたっていません。
私が知っている限りでは、
パイプラインの製造施工会社で上場しているのは二社あって
その一社が(1080)勝利管道、もう一社が(1938)珠江鋼管です。
珠江鋼管の株価はずっと5ドルをこえていましたが、
最近は4ドルを割り、昨年12月に上場した勝利管道は
2.5ドルから1.7ドル台まで売り込まれています。
一体どういうわけなんだということで
過去にさかのぼって勝利管道の業績を
根掘り葉掘り調べて見る気を起したのです。


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2010年7月9日(金)

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