中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3775回
中国とミャンマーの総理が遂に協定にサイン

中国の石油の消費量はとっくに日本を追い越して
アメリカの半分に達しています。
それなのに、原油や精製油や天然ガスを輸送するシステムは
アメリカの10分の1にも達していません。

国内の輸送手段も必要ですが、
今後更に伸びるエネルギーを
海外からどうやって消費地まで運ぶかはもっと重要なことになります。
中国の場合、エネルギーの輸送手段は最初から国際間を結ぶもので、
それをどうやってやるかは、
先ず世界地図を拡げて見て下さい。
ついで国際間の反揆や勢力争いや紛争の可能性を
頭に浮べて見ることも必要です。

中国政府は早くから周辺の産油国とわたりをつけて
採掘権にまで手を伸ばしていますが、
いまも石油と天然ガスの輸入はその大半を中近東に依存しています。
それもアメリカとあまり折合いのよくない国々と
接近していますから、
万一、産油国とアメリカが戦争状態におちいったら、
マラッカ海峡をアメリカに封鎖される心配があります。
そのために万全を期して、
イランからパキスタンを通って中国本土に入るルートと
ミャンマーまで海上輸送して、ミャンマーから雲南まで
パイプで運ぶ計画があることは前々からきいていました。

それがいつのことになるか見当もつきませんでしたが、
或る日(2010年6月4日のことです)、
香港から空輸されてきた香港の経済日報を見ると、
中国の総理温家宝がミャンマーの首都ネピドーに乗り込んで、
ミャンマーの総理テイン・セインと
ベンガル湾に面したチャウピューから
雲南省の昆明まで通すパイプ・ラインを敷設させる協定に
調印しているニュースがトップ記事として載ってました。

私は北京にいる時でも、東京にいる時でも
香港の新聞の中で「経済日報」だけはその日の夕方か、
1日遅れで目を通しています。
株価に大きな影響をあたえる記事が一番たくさん掲載されているのは
香港では経済日報だけです。
その次は多分、文滙報でしょうか。
あとは見ても見なくとも大差ありません。


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2010年7月11日(日)

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