中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3778回
相場を張ったことは一度もありません

以上、勝利管道という石油パイプラインのメーカーを例にあげて、
私がどうやって成長株を見つけるか、
そのきっかけやプロセスに就いて述べてきました。
きっかけはそれぞれ違いますが、共通していることは
次の時代に社会的に大きな注目を浴びる業種であるかどうか、
既に過去2期か、3期にわたって
好業績と配当をあげているかどうか、
そして、その勢いが今後も続いて
毎期売上げや利益が少くとも50%前後は伸びるかどうか、
但し、配当は会社によって気前のいいところと、
ケチなところにわかれますが、
それは主として経営者のこれまでおかれてきた立場と
財務上の理由によって違うものですから、
環境の変化によって
私が説得して方針を変えさせる課題の一つです。

そういったプロセスで新しい銘柄を発見した場合、
私がどのくらいの数量をどんな値段で仕入れるかには
きき耳を立てる人は1人や2人ではないでしょう。
もちろん、無い袖は振れませんから、
そう無茶苦茶な買い方をするわけには行きません。
私の場合、中国株に関心を持った最初の5、6年は
中国株そのものをそんなに信用していませんでしたし、
ほかに不動産や生産事業への投資が
いくつも同時にはじまったので、
1回の買いは精々10万株ていどでした。
但し、どんな場合でも、今日買って明日売るような
「相場を張る」やり方はやったことがありません。
ガラスの株を買う場合でも
カシミアの株買う場合でも、
わざわざ上海や内モンゴルまで行って、工場を見学し、
経営者から話をきいてから買い注文を出したのです。

そういう株はのちに
自分の最大の関心事でなくなってしまったので、
元金分は売っ払ってしまいましたが、
私が「儲けのカス」と呼んでいる只になった株は
いまも手元に残っています。
只ですからどんなに下がっても損をすることはないし、
カシミアなどは
内モンゴルが中国を代表する世界的な資源ですから、
将来、中国人がもっと金持ちになったら
必らず引っ張り凧になることは目に見えています。
いつの場合でも私は相場を張っているわけでなく、
成長株買いをやっているだけですから、
ふえる分のおしょうばんにあずかっているだけで、
人の損した分をちょうだいしているわけではありません。


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2010年7月14日(水)

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