中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3781回
有料の情報屋も私にはつとまりません

「邱永漢投信が駄目でしたら、
どんな株を買ったら値上がりするかを
週に1ぺんメンバーに教える情報屋はどうですか?
先生がそれをやって下さるなら、
僕も月に1万円の会費を喜んで払いますよ」

「何人くらい会員が集まるとお考えですか」
と私はききかえしました。

「先生なら1000人くらいは集まるんじゃないでしょうか。
月に1000万円あれば、
10人や20人を使っても充分ペイするんじゃないでしょうか」

もう50年も前の話ですが、
情報屋として月に300万円や500万円の利益があれば、
悪いことはありません。
現時点で、パソコン使って
そういう情報屋をひらいている人が結構たくさんいます。
でも私はその場ですぐにお断りしました。
どうしてかというと私がいくら頑張っても、
毎週のスペースを1杯にするだけの情報を集めることができないし、
情報はふえればふえるほど当らなくなるものだからです。


仮に日本中、朝から晩まで駆けまわっても
この株なら大丈夫と思うような株はぶっつかるわけがありません。
年に3つか4つもあればいい方でしょう。
しかもそれが物になるのには1年かかることもあれば、
3年も、5年もかかることもあり得ます。
それだけでも大へんな情報ですが、
それを毎回続けたら、
「お前、バカじゃないか」
と言われるにきまっています。
じゃ毎週、心にもない銘柄を拾ってきたらどうなるか。
数打てば打つほど鉄砲玉の命中率が悪くなることは
目に見えています。
毎日、新しいニュースを報道する新聞だって
マンネリだと文句を言われているのに、
どの株がストップ高をするか
という情報紙が長続きするわけがないのです。

もしもしQさんがなぜ只なのか。
これで疑問がとけたのではないでしょうか。
只で見られるだけでもいいのに、
私が先に株を買っておいて値上がりしたら
うまく売り抜けると言って
暴言を吐く人が後を絶たないのですから、
情報屋は皆さんが考えるほど楽な商売ではないのです。
じゃ何で「ハイハイQさん」なんかやるんだと
反論されてしまいますが、
一口で言えば自分の勉強のためだ
ということじゃないでしょうか。


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2010年7月17日(土)

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