中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3782回
私とバフェットさんは立場が違います

もし私が邱永漢ファンドをつくる誘いを頭から拒否せずに、
他人のお金を集めて投資集団をつくっていたら、
今頃どうなっていただろうかと時々、
空想してみることがあります。
恐らくアジアを代表する投資集団のボスくらいにはなって、
ウォーレン・バフェットさんと肩を並べるくらいには
なっていたのではないでしょうか。

なぜならば人類の歴史の中で、
経済界がどう変わるかについての判断をほとんど誤まらなかったし、
日本が敗戦から立ち直って
無一文からアメリカと肩を並べる金持ちの国になることも
また、共産中国が看板をかけたままで、
日本に続く工業大国になることも私の場合、予想できたからです。
但し、情報産業がこれだけ世の中を大きく変えることは
バフェットさんと同じようにうまく見透せなかったので、
恐らくマイクロソフトの株には手が出せず、
舌くらいしか出せなかったのではないかと思います。

ですから、アジアで香港の金持ちたちと
肩を並べるくらいにはなれたとしても、
今より立派な豪邸に住み、今より贅沢な生活をしていることは
先ずありません。
お金は一定の量をこえたら、
役に立つより重荷になることの方が多いのです。
その上、嫉妬の的になります。
ですからご殿のような家に住むのはご免だし、
いつも控え目に控え目にという生活を続けています。
それでちょうどいいのだと思って、
少しでも時間があるとアジア中あちこちとびまわっています。

大抵の人は年をとると家にいる時間が多くなります。
奥さんから巨大ゴミとして扱われる人もいます。
私はその逆に家にいる時間が少くなるように
スケジュールを組んでいます。
そのうちに帰って来なくなるのですから、
早目に少しずつそれになれてもらう必要があるのです。
「じゃ、もう先が長くないのに
成長株買いをしてもしようがないじゃないか」
と私に苦言を呈した若者もいました。
でもそんな心配をするより、
ご自分で成長株を探がし出して投資したらどうでしょうか。
まだ年が若くて儲けをそっくり使うだけの時間があるのですから。


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2010年7月18日(日)

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