中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3794回
いよいよ人民元に新しい動きが

かつて香港の雑誌のインタビューで
「中国経済の将来についてどう思っていますか?」
ときかれて、
「一口で言うと株価は今の10倍、
米ドルは1ドル対4元になると思います」
と即答したことがあります。
まだ1ドルが8.2元くらいしていた頃のことです。

よほど印象的だったと見えて、
あちこちの新聞にも掲載されたし、
いまでもパソコンで中文の邱永漢という欄を叩くと、
万に及ぶ私に関する記事の先頭のところに
「株価10倍、1ドル4元」という記述が出てきます。
あれから株価はもう5、6倍にはなったし、
為替相場は輸出産業に支障を来たさないように、
いわゆるダーティ・フロートが続いているので、
まだ6元台の終わりのところをうろうろしていますが、
そのレートでは中国の一方的な黒字が続くので、
アメリカをはじめ、
ヨーロッパの赤字国では
ずっと人民元の値上げ要求が続いています。

ご存じのように、
中国政府はアメリカの議会でそれが問題になっても、
政府の要求になって出てくると、
頑として受けつけず、
内政干渉だといって剣もほろろの態度をとります。
アメリカも国債を一番たくさん持ってもらっている手前、
輸入品に対する課徴金を課するような強硬策に出ることもできず、
くりかえしジャーナリズムで話題にするのが精一杯。

じゃ中国はアメリカの要求に全く耳を貸さないかというと、
ほとぼりのほぼ醒めた頃に為替相場に手をつける。
そういうところへ今、さしかかったところと言ってよいでしょう。
中国の貿易収支を見れば、
いやだと言って拒否し続けると、
中国全体が過剰流動性に見舞われて、
物価も上がるし、
不動産もかつての日本でそうだったように大暴騰して、
常識をこえたインフレに見舞われます。
昨年から今年にかけて、
上海や北京の不動産が目を見張るような暴騰をし、
ビザの資格緩和によって
日本の観光旅行にドッと押し寄せて来た中国の観光客が
「あら、東京のマンションの方が安いわね」
と口走るようになっています。
数年前には想像もできなかったことですね。


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2010年7月30日(金)

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