中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3795回
人民元の預金は事実上、困難です

人民元が日増しに強くなり、
その分、米ドルが後退することは、
もはや衆人の意見の一致するところです。
それならお金はドルで持たずに、
人民元で持った方がいいと誰でも考えます。
日本に住んでいる人で、
外国へ行ったことのない人なら、
預金も日本円でやっているし、
株を買うのも、国債を買うのも、
日本株や日本の国債ということになります。

でもこれだけグローバル化がすすむと、
外国の株に投資する人も珍しくなくなるし、
中国株だけでなく、
カナダやオーストラリアの通貨で
利殖を考える人も珍しくなくなっています。
ならば、中国株に投資する人が
香港ドルで中国株に投資するよりも、
いっそ財産は
人民元で持った方がいいんじゃないかと考えたとしても
何の不思議もありません。
現に香港でも台湾でも、
現地の貨幣を人民元に換えて預金にする道はひらかれています。

私も日本に住んでいる人から、
人民元で預金をする方法はないかとよくきかれていますので、
ついこの間、香港の銀行の人を私のオフィスに呼んで
詳しくきいたところ、
人民元の預金は1日2万元しか兌換ができず、
逆に預金している人民元を香港ドルや
その他の通貨に兌換する場合も
1日に2万元しか交換できないときかされました。

それでは100万元人民元に換えるだけで、
50日もかかってしまい、
逆に人民元の預金を支払いにあてようとしても、
50日かかることになってしまいます。
お役人のやることですから、
これは事実上、「何もやるな」というのと同じで、
「人民元の預金も受けつけます」というのは
看板倒れだということがわかります。
人民元を使って中国の不動産を買ったり、
中国の事業に投資することはできますが、
人民元で預金をしてドルの目減りを防ぐことは
事実上、道がひらかれていないということです。
これを見ても香港ドルで香港に上場している中国株を買うか、
米ドルで上海B株を買う以外に方法がないことがわかります。
香港ドルで中国株を買う場合は
投資対象が人民元を稼いでいる会社ですから、
円高が続く間はチャンスということになります。


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2010年7月31日(土)

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