中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3797回
アフリカの資源開発が先陣を切ります

中国のアルミのメーカーが
ブラジルのアルミ鉱の大手に資本参加する話が
合意するところまでこぎつけたら、
政府から横槍が入っておじゃんになった話が
新聞に出ていたことがあります。

そのずっと前にアメリカの石油掘削会社の株を
中国の石油会社が買収する話が出た時も
アメリカの議会が反対して実現に至らなかったことがあります。
アメリカの石油掘削会社と言っても、
その利権はほとんどが中国周辺のアジア地域にあって、
アメリカの国防とは何の関係もないのですから、
アメリカの嫌がらせだということがわかります。

それでもそういうことがくりえし起るということは
世界のお金の流れも、産業界の動向も
大きく移り変わるところまで来ているということにほかなりません。
ブラジルのような貧富の差の激しいところで、
しかも実権を握った人々の資産が外国におかれている国で、
資源の持主がはたしていつまで自国人の手に残っているのか、
これからが見物と言っていいのではないでしょうか。

そうなると、世界中の資源が誰の手に渡るかは、
早い遅いの違いがあるだけで、ゆるぎのない話ではないでしょうか。
昨今はアフリカの資源開発が世界の注目を浴びていますが、
アフリカの宗主国だったヨーロッパの国々が
次から次へと財政困難におちいり、
それらの国々から
旧植民地で資源開発に従事していた企業が逃げ腰になると、
いまのところ、中国人とインド人が政府をバックにして
それと入れ替わっているのです。

とりわけ中国政府は資源確保のために
政府のトップが公式訪問に乗り出しているだけでなく、
財政資金の援助から公共施設の施工にまで着手していますから、
南米やオーストラリアより一足先に
こちらの方が軌道に乗るのではないでしょうか。
中進国の経済開発の過程で世界の資源開発が進み、
やがてそれらの地域が
市場経済の有力な市場になることも夢ではありません。
いまのところはまだ中国産の安物のスリッパが
とぶように売れはじめたばかりですが。


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2010年8月2日(月)

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