中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3799回
中国にも日本のバブルの二の舞が

外貨がドンドン貯まるのに、そのまま放置しておくと、
どんなことが起るかは、
かつて日本でも、台湾や韓国でも経験しております。
外貨の貯まった分だけ国内通貨が発行すると、
いわゆる過剰流動性が発生して、
銀行は溢れるお金を「借りて下さい借りて下さい」と言って
走りまわるようになるのです。

そのためにお金のなかった人まで
借りたお金で家や株や自動車まで買うようになって、
いわゆる資産インフレが発生します。
それが程度を超えると、突然、土地や株の大暴落がはじまり、
お金を借りた人がお金を返せなくなって
事業会社だけでなくて、銀行まで倒産に追い込まれることは、
かつてバブルがはじけたあとの日本が経験した通りです。

それと同じことをドンドンお札を印刷して
貿易や財政の赤字を埋めてきたアメリカが必らずやるだろうと考えて
私は「マネーゲーム敗れたり」を書いて予言しました。
10年たって予言通りのことが起りましたが、
日本の後を追って貿易で外貨を稼いだ中国にも、
このまま放置すると、日本と同じことが起る可能性があります。
既に不動産はかなりの暴騰をしていますが、
郊外の超高層マンションがほとんど完売だったと言っても、
実質は3割が自己資金で、
その自己資金も親戚や知友の間を駆け廻って集めたお金ですから、
一旦、逆風が吹くと借金が返せなくなって
バタバタと行く可能性があります。

そうなっても返せなくなるのは自分だけでないから、
政府がどうにかするだろうと大抵の中国人は考えます。
政府もそのくらいのことは承知していますから、
最近のように不動産の値上がりが地方都市にまで拡がると、
政府が値上がりに干渉したり、
銀行借入れにきびしい条件をつけています。
でもそんなことくらいで問題は解決できません。
基本的に外貨を積極的に減らす有効な措置をとらない限り、
日本の二の舞を中国もくりかえす可能性は
俄かに強くなってきたと見ていいでしょう。


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2010年8月4日(水)

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