中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3807回
ブランド商品買うなら日本のデパートで

日本人はブランド嗜好の性癖が強いので、
日本でスーパーをひらくのは難しいというのが
欧米勢の常識になっています。
たとえば、スーパーで買い物をする場合でも、
日本人はよく名の知られたブランド商品を安く買おうとします。
化学調味料なら「味の素」と思い込むと、
他のブランドでうんと安い商品があっても見向きもしません。
なら「味の素」を仕入れればいいじゃないかと日本人は思いますが、
いくら量販をしますからと言っても、
他の顧客の手前もあって
有名ブランドは思い切った値引きをしてくれません。
ですからフランスやアメリカのスーパーは、
日本で日本のスーパーと競争する立場に立つと
予定していた利益をあげることができないのです。

そのカルフールやウォルマートが中国でスーパーをひらくと、
お客が溢れるほど入るし、カウンターはすぐ長蛇の列になります。
中国人はブランド商品にこだわらず、
同じ物なら安い方に手を出すので、利幅もとれます。
とりわけ中国人は一つ所で用を足せると、
時間の節約になりますので、
あちこち駈けまわるよりも
スーパーで買物をする習慣が身につきます。
勘定を払うのに1時間も行列をするのを避けるために、
買物に行く時は2人で行き、1人が買物をしている間に、
もう1人がレジに並んで
時間とお金の節約をしている光景をよく見かけます。

ですから中国人はお金で割り切った生活をしている国民だと
多くの外国人から見られていましたが、
そういう一面がある一方で、
大へんなブランド嗜好であることが最近、
次第にはっきりしてきました。
金がない時の中国人のお金の使い方と、
お金に余裕があるようになってからの使い方は同じではないのです。
最近のこと、日本に観光旅行に来た中国人の女性が
伊勢丹で1個200万円もするハンドバッグを
3つも買って話題になりました。
「どうして中国で買わないのですか」と新聞記者にきかれて、
「高い物でも北京では偽者があるから」と答えたそうです。
北京のデパートで従業員が本物と偽者をすりかえたことが
本当にあったそうです。


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2010年8月12日(木)

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