中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3808回
ブランド商品よりコピーが一足先に

中国人のブランド嗜好がどんなものか、
将来どういう具合になるか、知りたかったら、
同じ中国人でも中国大陸の中国人より一足先に文明の洗礼を受けた
香港人と台湾人を見れば大体の想像がつきます。

香港人も台湾人も、中国本体の国力が弱かったために、
イギリスや日本の植民地になったところで教育を受け、
生きてきた中国人です。
どちらも欧化という点では本土の人たちの先輩格であり、
いち早くブランド製品の洗礼を受けました。
とりわけ香港人はイギリスの植民地で生活していますから、
日本人よりずっと早くから
ヨーロッパのブランド製品に馴染んでいます。

私は戦後、日本から台湾の帰って国民政府に叛旗をひるがえして
香港に生命カラガラ亡命して6年間、香港で暮らしました。
無一文から幸運にも産をなして
ハイレベルの生活をするだけの余裕ができたので、
20代からブランド製品に親しむことができました。
洋服もフィンテックスとかスポーテックスの
オーダー・メイドに馴染み、
オメガやパテック・フィリップの腕時計を
腕につけることができたので、
かつての東大のクラスメイトよりは一足先に
世界のブランド商品に馴染む機会に恵まれたのです。

日本のブランド嗜好はそれから後のことで、
台湾に至っては、
日本の後をついで高度成長期に入ってからですから、
更に後のことになります。
しかし、どちらも香港に負けずに香港に続き、
香港をしのぐ勢いですから、
やがて中国大陸がその後に続くことは約束されたことと考えても
意外に思う人は先ずいないのではないでしょうか。

そうした動きを見込んで、
将来のブランド商品は既に北京や上海どころか、
内陸の主要都市に進出をはたしています。
しかし、それより一足早くブランド商品のイミテーションが
全国隅々まで行き渡っていますから、
中国は「学ビテ時ニコレヲ習フ」の昔から
ブランド嗜好の国と見て間違いないでしょう。
それがいよいよ全国的に開花するシーズンに至っているのです。


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2010年8月13日(金)

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