中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3811回
円高で日本が三振のトップ・バッターに

何事も思うように行かない時は、右を向いても、左を向いても、
八方塞がりになってしまいます。
最近の日本の国の勢いがまさにそういう感じで、
政治も経済も絶頂期はとっくに通りすぎて、
どうしてこんなことになってしまったのか、
と思わず首をひねってしまいたくなります。

アメリカが先ず具合が悪くなって、ユーロがそれに続けば、
そのどちらをも上客として商売をやっている日本が
うまくやって行けるわけがありません。
もう何年も前から国内は低成長におちいって、
デパートに入っても
お客の数が売り子の数より少い状態が続いているのに、
輸出に同じことが起ったら、商売がやれなくなるにきまっています。

ならば値下げをしてでもお客をつなぎとめなければ
やって行けない筈なのに、円安どころか、逆に円高になって
輸出でメシを食いつないで来た業界が
一せいに赤字に追い込まれているのですから、
政府が先頭に立って円安に持って行かなければならないのに、
日本の政府はそれは市場が決めるものだと知らぬ顔をしています。
そのために業界は軒並み大赤字になって無配に転落するのを
政府は助けようとしないばかりか、一向に痛痒を感じないようです。

このまま円高が続けば、日本の産業界は日本国内で物づくりをしても
やって行けなくなるので、
極端な言い方をすれば、
自分の国で使う自動車も海外に工場を移転して
海外でつくって日本に輸入して使うようになってしまいます。
日本国内でやる仕事がなくなって、国内では失業してしまうので、
日本人は海外に出稼ぎに行くよりほかなくなってしまいます。

そんなバカなことが、というのなら、
そうなる前に、円安になるように、
日本政府が円高に
ストップをかける必要があるのではないでしょうか。
今や既存の経済理論ではやって行けないところまで
追いつめられているのではないでしょうか。
ドル安の血祭りあげられるのはもしかしたら、
円がトップバッターではないかという心配も。


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2010年8月16日(月)

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