第3813回
借金したら夜が眠られなくなります。

日本の景気がかなり悪いのに、
逆に円高になるということは、
もっと悪い状態にあるアメリカやヨーロッパから
遊資が円に大挙避難してきているからじゃないか
と想像したくなります。
もしそうだとしたら、
昔はそんなことがなかったのですから、
どこの国も紙幣を刷って物々交換の道具として
通用されるようになったことから起った
新しい矛盾の一角ではないか、
と疑いたくなります。

そうだとしたら、
円高はそうした矛盾のほんの一角にすぎず、
いまの世界的な為替制度にも
またそれぞれの国の通貨制度にも、
更にはドルが世界通貨として通用していることにも
実は大きな欠陥や矛盾があり、
それがアメリカだけでなく、
紙幣を発行して通用させているそれぞれの国で
次から次へと爆発をしはじめているんじゃないかと、
疑いたくなります。

とすると、
いま世界で起っている金融不安は
そう簡単におさまることではなく、
それぞれの国内だけでなく、
国際的に入りくんだ債権債務の関係も
そう簡単には片のつくものではなく、
先進国ほど調整に時間がかかるのではないでしょうか。

もしそうだとすれば
これからも当分続くと思われる円高は
日本人が日本からお金を持ち出して
海外投資をやる絶好のチャンスですが、
投資先と投資の対象を間違えないことが
もっと大切だということになります。
欧米との間に高い塀を立てて
人民元や外貨の出入りにもきびしい目を光らせている中国が
一番安全という感じですが、
その中国も２兆何千億ドルという外貨を抱えており、
その運用次第では大きな影響を受けますから、
どこでどんなとばっちりを受けるか、
予断を許しません。

こういう時こそチャンスであることに異存はありませんが、
夜ちゃんと眠れるために一番必要なことは
大きな借金を抱え込んで投資をしないことです。
常識で読み切れないことが次々と起る可能性がありますから、
中国株に投資する場合でも借金をしないことです。