中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3820回
中国留学は時代の流行になったけど

今は世界のトップ・リーダーが
アメリカから中国にとって代わられそうな時代になっているので、
日本から海外留学に出かける若者も
中国がアメリカにとって代わる方向に動いています。
言葉を覚えるためなら、大学あるいはそれ以前から
中国に行くにこしたことはありませんが、
そうすると学問の骨格も中国育ちになってしまいますから、
日本人として中途半端な人間になってしまう心配があります。
ですから、大学までは日本の教育で、
その後、中国語を覚えることと、中国人的発想を理解するために、
中国の大学で中国語の講義を受けるのが
一番無難だと言ってよいでしょう。

そういうやり方で北京や上海に留学する日本人がふえていますが、
授業を受けている時だけ中国語で、
寮に戻ったら日本人同志で日本語を喋っていたのでは
いつまでたっても中国語は上手になりません。
ですから私の秘書の1人は北京で勉強するのを辞めて
日本人のいない長沙に思い切って転学しました。
忽ち中国語が上達したので、初対面で私が採用したら
「どうしてあの人を秘書にしたのですか?」
と邱友会の人からきかれました。
「僕のあった日本人学生の中で一番中国語が達者だから」
と答えたら、
「でも日本語は下手ですね」
と逆ねじをまかれて大笑いになったことがあります。

若い日本人が現地に行って
中国語を勉強することからはじまることに私は賛成です。
早く中国語を覚えるだけでなく、
中国人の友達もたくさんできて、
中国人の気質や発想や風俗習慣にも
いち早く馴染むようになるからです。
でも卒業してから現地で就職しようとすると、
日本の一流会社では現地採用と言って
本社社員並みの待遇を受けることができませんし、
給料も低くなります。
いくら仕事ができても、その会社では出世できませんので、
中途退職することは目に見えています。
現地で採用した日本語のできる中国人に対しても
同じことをやりますから、
本当に日本の会社は時代遅れですね。


←前回記事へ

2010年8月25日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ