中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3837回
次の時代に借金は不向きです

国が借金で首がまわらなくなったら、
もっとたくさんお札を印刷するにきまっています。
そうなったらお札の洪水になってインフレになるから、
物価もあがるし、不動産もあがる筈です。
ならば借金をした方がトクじゃないかと早合点する人もいます。

高度成長期なら年と共に国民の所得がふえますから、
家のない人が家を欲しがるし、
そのために支払うお金もふえますから、
不動産の値段があがります。
ところが、国の借金がふえて国が破産に直面する時は、
景気も悪くなっているし、
インフレどころか、物が売れないために物価も下がり気味だし、
もう持ち家も普及して新しく家を欲しがる人よりも
家を売って借金を返えしたい人の方がふえますから、
不動産は上がる方向にはありません。

その上、国が国債の返済をしたり、
不足する収入を補うために
次々と新しい増税の方法をあれこれ考えますから、
税金がふえることがあっても減税になることは先ずありません。
最悪の場合は戦後にあったように、
財産のある人は財産税を取り立てられることも
覚悟しなければなりませんから、
財産のある人は税金を払うために不動産を売りに出します。
そうなると、借金をして先廻わりをして不動産を買った人は
不動産の値下がりに直面して
ひどい目にあわされることも考えられます。
借金をしてお金を儲けるどころか、
不動産が値下がりして借金も返えせなくなることも
あり得るのです。

ですから国が破産に瀕したら、
「無いより強い者もない」というように、
財産のない人は一番安心して眠れます。
反対にお金のある人は財産はなくなるし、
財産税を払うために心配がふえますから、
そうなる前に財産を持たない工夫をする必要があります。
いまの日本がすぐそういうことになるわけではありませんが、
今の政府を見ているとその方向に向って動いていますから、
遠謀深慮をもってその対策をとる時期に入ってきました。
お金が日本から外国に動く時期に入ってきたのです。


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2010年9月11日(土)

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