中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3838回
あなたの懐のお金に異状はありませんか

これだけ円高が続くと、
日本で物をつくって外国に売る会社は大赤字になってしまいます。
早くに、たとえば1ドルが200円とか、250円の時に、
円をドルに換えて海外に持ち出して投資をした会社も、
円をたくさん払った分だけ損したことになりますが、
外国で既に地盤ができお金が儲かるようになっておれば、
早くから海外進出した分だけ先見の明があったことになります。

しかし、大抵の企業は国内に基礎があり、
国内で働いている社員や
取引先のことも考えなければいけませんから、
大抵の会社は中途半端な対応しかできていません。
もっと早くからやっておれば、と悔やんでも間に合いませんが、
これだけ円高が進んで国内生産が劣勢になると、
思い切って国外大移動を真剣に考える会社が
いよいよふえることになります。
私のように未来のことしか頭にない人間から見ると、
日本の企業は何と思い切りの悪いのが多いんだろう
という印象ばかりが強く残っています。

そうした中で一番対応のできていないのが日本の政府ですから、
駄目な時は右を向いても左を向いても
駄目なんだということになって、
日本企業もいよいよ日本で仕事をやって行けなくなるし、
日本人が汗水垂らして稼いだお金も、
日本においておいたのではうまく稼げなくなってしまいます。
現に円高が進むと、株は大暴落をして
株で稼ぐどころの騒ぎではありません。
お金は船に乗っている鼠のようなものですから、
少しでも日本が不具合になると、
最っ先に逃げ出すのもお金だということになります。
円高になると、
外国と商売をやるのにはますます不都合になりますが、
ドルに換えて外国に持って行って投資をする分には
またとないチャンスということになります。

こうなると、お金は難破船に乗っている鼠のようなものですから
政府が何の手も打てない間に
お金の大移動がはじまることになります。
あなたのふところにある金にそんな動きはありませんか。


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2010年9月12日(日)

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