中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3840回
10年かかる仕事も100年かかる仕事も

ここのところ、私が中国で力を入れているのは、
食糧づくりと町づくりと人づくりの仕事です。
いずれもアメリカの次にアジアの時代が来たら、
中国になくてはならないものだと思っているからです。

中国の工業化がすすめば、農業人口が不足して
少くとも7億人分の食糧が不足するようになります。
7千万人分なら輸入で間に合いますが、
7億人分供給できる国は世界中どこにもありません。
ですからどうしても中国は
自給体制をつくりあげなければならないのです。

2年ほど前から私は中国の農業に注目するようになり、
上場株の中でも農業に従事している会社を
内蒙古から山東省、雲南省、福建省、広東省まで見学に行きました。
食糧の輸入からスタートして
大規模の野菜づくりに参入している亨泰に注目したのも、
(一)人民元の値上がり、
(二)消費の増大、
(三)大規模農業の将来性と有利益
を見込んでのことですが、
農業は時間のかかるもので畑をひらいて野菜をつくって、
それをまた金にかえるのだって1年や2年はかかってしまいます。

ところが株をやっている人は
今日買ったら明日にももう儲かることを考える人が多いと見えて
毎日毎日まだかまだかと矢の催促です。
私は先ず10月の決算を見て下さい、
次は来年の10月の決算を見て下さいと言っても
きく耳を持たないのです。
そういう人には不向きの業種ですから
どうぞ私の書いた物は読まないか、
読んでも読まなかったフリをして下さいませんか。

食糧増産だけでなく
次に私がやることは地方都市の町づくりですが、
これには10年の歳月がかかります。
途中で私があの世に行ってしまうことも考えられます。
また私が学校をつくったり、
人材派遣にちょっかいを出して人造りをやる仕事は
100年かかる仕事です。
自分の一生かかってもできないことは
はじめからわかっていますが、
それでも誰かがやらなければならない仕事なのです。
一生かかってもできない仕事でも
誰かが私の後を継いでやってくれればいいんじゃないでしょうか。


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2010年9月14日(火)

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