中国株、海外起業、海外投資、グルメ、ファッション、邱永漢の読めば読むほどトクするコラム

第3857回
お金持ちになる人は決まっています

お金のことは人間の生活の中で
他人に内緒にしておきたい部分です。
そのことについて相談するのですから、
大抵の人はどこまで喋っていいのか用心してかかります。
どうせそのことについて相談するのですから、
本当のことについてすらすら喋る人もたまにはありますが、
ほとんどの人が私の顔を見ながら
少しずつ小出しにして話をすすめます。

一回ですむことは先ずありません。
ほとんどが税務署にも内緒にしていることですから、
お金のことは小出しにします。
何回かかよっているうちに、
この人なら大丈夫だとわかると急に口が軽くなります。
そうしてわかることは
ほとんどの人が人に言えないお金を持って
暮らしているということです。

そういうお金をたくさん持っている人は
サラリーマンにはほとんどいません。
サラリーマンは収入が決まっているし、
どんなにたくさんもらっている人でもタカが知れています。
ですから私なら
お金持ちになりたかったらサラリーマンにはなりません。
本当にたくさんのお金をもっている人は
自分で事業を経営している人で、
扱っている商品の売値を自分で決められる人です。

たとえば本屋さんのように、
本の仕入れ値段も売り値も人に決められている仕事は
どんなに頑張ってもお金をもたらしてくれません。
反対に仕入れはその時の時価であっても、
お客に売る値段は自分たちで決められる商売、
それも現金でもらえる商売はうまくやれば、宝の山です。
たとえば、スーパーの隣りで八百屋をやっている人がいます。
朝早く青物市場に仕入れに行くので原価がわかっていますが、
お客の具合でその日の売値を決められます。
お客はお隣りのスーパーが集めてくれますから心配は要りません。
夕方遅く今日は客足が悪いなと思ったら安売りをかけます。
しまいには只のような値段でも売り切ることができれば、
滞貨の心配はありません。
そういう人が人に知られないお金をたくさん持っている人なのです。


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2010年10月1日(金)

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